またエラそうなタイトルをつけてしまったが。
断言します。神か預言者でなければ、
「暴落がいつ来るのかは誰にも予測できない」
ただ、暴落の渦中にあるとき、その底はおおまかに推測できる方法があるかもしれず、検証をしてみた。
VIX指数について
VIX(Volatility IndeX)指数というものがある
。別名「恐怖指数」という。
SP500のオプションの取り扱い量を元に算出するが、計算方法は非常に難しいので説明は省略する。
※計算方法の詳細はWIKIに載っています。
要するに、VIX指数とはSP500と負の相関となるように設計されており、SP500が下がればこの指数は上がる。
この指数を使えば、暴落がいつ来るのかは予測できないが、暴落の底近辺は予測できるかもしれないと考えた。
SP500とVIX指数の比較
上図は2000年1月を100として、2021年9月までのSP500とVIX指数を比較したグラフ。
データは月次データで月初めの終値を使用。
※元データはSP500、VIX指数ともにYahoo finance USから引用した。
2008~2009年のリーマンショックと2020年のコロナショックの底をVIX指数と合わせてみると、VIX指数はいきなり上がっており、いつ暴落が来るのは予測できそうにないが、VIX指数の最大の頂点をみるとSP500の底と大体一致しており、暴落の底は推測できそうに見える。
VIX指数が40以上になると暴落が始まる、と言われており、グラフを見ると大体その通りになっている。
リーマンショック時の比較
上図は2001年1月を100として、2006年1月~2010年12月までのSP500とVIX指数の比較したグラフ。
データは月次データで月初めの終値を使用。
※元データはSP500、VIX指数ともにYahoo finance USから引用した。
- リーマンショック時、SP500は2008年1月ごろから約1年かけてじわじわと約50%下落している。
- SP500の下落の大きくなった2008年9月ごろからVIX指数は急上昇を始めている。
- SP500の底は2009年2月だが、そこでもう一度VIX指数は上がっている。
- SP500が底を打ってから回復していくところではVIX指数は下がっている。
上記がこのグラフから言えることとなる。
VIX指数では正確に底を推測するのは難しそうだが、今が底付近か、そうでないかの大まかな推測はできそうだ。
コロナショック時の比較
上図は2018年1月を100として、2018年1月~2021年9月までのSP500とVIX指数の比較のグラフ。
データは月次データで月初めの終値を使用。
比較するのに見にくかったので、2018年1月を100としてグラフを作成しなおした。
※元データはSP500、VIX指数ともにYahoo finance USから引用した。
リーマンショックと比較すると暴落と呼べないレベルの下落だが、世間的にコロナショックと呼ばれ、騒がれたので検証してみた。
このグラフから以下のことがいえる。
- コロナショック時、SP500は2020年1月から下落を始め、2か月後2020年3月に底を打ち反転した。
- SP500は最大で約20%の下落となった。
- SP500は底を打ってから約4か月後の2020年7月にはコロナショック前の水準に回復。
- VIX指数の最高とSP500の底の時期はほぼ一致している。
- VIX指数は最高値から急激に下がり、それに伴いSP500も上昇している。
話の本筋から外れるが、このグラフを見るとコロナショックは絶好の買い時だった。下落期間も短く、回復も早かった。それにコロナショック後はほぼ一本調子の上昇基調となっている。
コロナショックだけをみれば、VIX指数が最大の時は暴落の底を示しているといえるだろう。
使用したのは月次データなので週次か日次のデータでみると、もう少し詳しい分析が出来るかもしれない。興味があれば、別記事で書いてみます。
まとめ
VIX指数を知ってから、時々チェックしているが、結構使えそうだということが分かった。
VIX指数をチェックして感じることは、反応が非常に早いということだ。1日の値動きを見ていると、数分の値動きに即座に反応するイメージ。
例えて言うなら、瞬間ごとに上がるか上がらないかの多数決をおこなって、そのデータを瞬間ごとに集計したようなものだ。(オプションとは本来、未来の予測の売り買いなのでそういうものになる。)
また、VIX指数は値が30を超えたあたりから警戒する必要がある。
当初考えていた通り、VIX指数をみていれば暴落の底は大まかには推測することができそうだ。
※投資は自己の判断において自己責任によっておこなってください。また、本記事は特定の投資を推奨するものではありません。
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